レスター伯の限界

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隠れた家族青春小説の名シリーズ -西澤保彦『タック&タカチ』シリーズのすすめ

最近僕の周辺では、

西澤保彦の『タック&タカチ』シリーズが話題になってるのですが、

みなさんは読んだことあるでしょうか?*1

京極夏彦森博嗣らと同時期にデビューし、

SFパズラーミステリで人気を博した西澤先生が書いた、

大学生4人の安楽椅子探偵小説のシリーズなのですが*2

これが単にミステリとしてだけではなく、

青春ドラマや家族の悲劇

をテーマとした小説としても素晴らしいのです。

そんな訳でいろいろな人に勧めているのですが、

シリーズ物なのに出版社が別々だったりして、

「どの順番で読めばいいかわかりにくい」

と、いずみのさん(id:izumino)言われたので、

初読者にも分かりやすいように、

順番を示しつつ簡単に紹介してみたいと思います。*3


1.彼女が死んだ夜

彼女が死んだ夜 (角川文庫)

彼女が死んだ夜 (角川文庫)

2.麦酒の家の冒険

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

3.仔羊たちの聖夜

仔羊たちの聖夜(イヴ) (角川文庫)

仔羊たちの聖夜(イヴ) (角川文庫)

ここまでは主要キャラクターの紹介要素が強いのですが、

3では後のテーマとなる家族問題がクローズアップされるなど、

しっかりとシリーズを通じた伏線が貼られています。

後、2は飲酒物としても、安楽椅子探偵物としても傑作で、*4

比較的独立しているのでここから入るのもありです。


4.スコッチ・ゲーム

スコッチ・ゲーム (角川文庫)

スコッチ・ゲーム (角川文庫)

ヒロイン、タカチのトラウマを主人公タックが解き明かすのが本作。

完璧な美女タカチの暗黒面を、タックが正しく解きほぐすわけですが、

それと同時にタックの過去も少し明かされ、それが次作につながっていきます。


5.依存

依存 (幻冬舎文庫)

依存 (幻冬舎文庫)

今度はタックの過去が明かされ、そこにタカチの力を借りてタックが対峙します。

とりあえず、タック母と正面からぶつかり合うタカチの凛々しさは必読!

そして、最後のボンちゃんのセリフに心打たれるのです。


以上、タック&タカチシリーズの長編を順番に並べて、

簡単にレビューしてみました。

10年以上前のシリーズですが、

家族の悲劇というテーマ

魅力あるキャラクターの掛け合い

安楽椅子探偵物としての安心感

どの側面からみても今でも自信を持って勧められるクオリティです。

ミステリ読み以外にはそんなに知られてないと思いますが、

むしろ普段ミステリを読んだこと無い人にこそ

読んでもらいたい傑作シリーズですので、

この機会にどうぞ!*5

解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)

黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)

黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)

*1:海燕 id:kaien さんのustに乱入おじゃました際に盛り上がって以降、僕が勧めて回ってるだけなんですけどww

*2:と同時に飲酒物でもあるw

*3:短編は時系列が混ざってたりするので、最後に読むのがいいと思います

*4:『9マイルは遠すぎる』が好きな人は是非

*5:1,3,4に関しては幻冬社版も出版されてるので、本屋で探したい方はご参照を