レスター伯の限界

気付いたらVtuberになってた

終幕だけど最前線—サークル敷居亭C84新刊のすすめ—

 ご無沙汰しています。ここ一ヶ月ずっと本を作っておりました......

 

 ということで、今週末に迫ったコミックマーケット84ですが、今回もサークル敷居亭として参加します。本は以下の二冊。

 

 ・『敷居の部屋の終幕—Curtain Call of Sikii-Tei

  (アイマスニコマス

 ・『敷居の部屋の最前線—Frontline of Internet Literature

  (なろう・SS)

 日時:2013年8月11日(日)(C84二日目)

 場所:東館O-49b(サークル敷居亭)

 価格:どちらもコミケでは500円(通販、委託は未定)

 

 今回は二冊、しかもいつもより分厚い(98頁と114頁)ですが、両方ともイベント価格は500円で頒布させていただきます。今回でサークル敷居亭の活動は一区切りと言うことで、いつも以上に質・量ともに圧巻の出来になっていると自信をもってお送りします。

 

①『敷居の部屋の終幕

f:id:pushol_imas:20130807210500p:plain

f:id:pushol_imas:20130807210507p:plain

 文字通りサークル敷居亭の終幕を飾るにふさわしい、サークル敷居亭のアイマスニコマス同人誌の集大成。くらふとさんによるライブを描いた表紙が光ります。

 

 内容は、20人超のP・ブロガー・スタッフの心に刻まれた一作品を選ぶ『ニコマス魂の一選』、卓球P・Pボウイ・アゥP・ハバネロPによる座談会『Pの目から見たニコマスのこれまでと今、そしてこれから』という二つの特集記事で、5本の寄稿記事を挟み込んだ形になっています。まさしく、アイマスニコマスの歴史・現在・未来を語り尽くす一冊となっています。

 

 こちらの本ではいつも通りの編集・DPT作業に加えて、僕はニコマス一選の企画と、『21世紀の声優ユニット史からみたアイマス・ガールズの軌跡』を寄稿しています。後者に関しては、アイマスライブに加えて、アニサマニコニコ超会議などの大規模企画に欠かせない存在になってきているアイマス・ガールズの歴史について振り返りつつ、それをシスプリからラブライブまで、同時代の声優ユニットの歴史の中に位置づけて論じたものです。個人的にはかなり力の入った論考になっていると思いますので、一読いただければ幸いです。

 

②『敷居の部屋の最前線

f:id:pushol_imas:20130807210648p:plain

f:id:pushol_imas:20130807210700p:plain

 

 おなじくくらふとさんによる「まおゆう」な表紙が印象的な最前線の方では、「小説家になろう」、「VIPSS」をテーマに、Webにおけるテキスト系創作の最前線で創作活動を行っている作者さんのインタビュー・座談会をお送りします。

 

 この本の魅力はもう、インタビューしているメンツを並べるだけで十分につたわるでしょう。まず冒頭には『まおゆう』『ログホラ』でおなじみの橙乃ままれさんへの超ロングインタビュー(約40頁)。僕もインタビュアーとして参加していますが、びっくりするくらい濃密な内容で、これまで掘り下げてこられなかった作家としてのルーツに迫りつつ、VIPとなろうを経由することがままれさんの作家としての強みにいかに繋がっているかを浮き彫りにしています。正直、インタビューしながら泣きそうになっていましたが、読んでもらえれば熱い物がこみ上げてくること間違い無しです。

 なお、インタビューの前半部分に関しては、Web上で先行公開されていますので、待ちきれないという人は要チェックです。そして、公開されてる前半部分を読めば、後半が気になって仕方なくなると思いますので、続きは同人誌を手にとってご確認ください。また、ままれさんのSSをVIPでリアルタイムで保守していたというさっすまによる、まおゆう以前の傑作SSである『同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」』のレビューも公開しているので、予習に読んでおくとより楽しめると思います。

 リアルタイムにVIPでままれさんのSSを追っていた人と、『まおゆう』『ログホラ』から後追いで読み始めた人も、どちらの心にも届く内容のインタビューとなっております。本当に楽しみにしておいてください。

 

橙乃ままれインタビューの一部を贅沢に公開しちゃうよ。(12438文字) - 敷居の先住民 

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

 

 そして、「小説家になろう」を取り扱った第二章では、「小説家になろう」の累計ランキングトップ1・2に君臨する『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』の蘇我捨恥さん、『無職転生—異世界行ったら本気出す』の理不尽な孫の手さんへのインタビューを敢行。対照的なようでいて、繋がっている部分も感じられるお二人のインタビューは、「小説家になろう」というサイトについて考える上で非常に貴重なものだと思います。

 さらになろう座談会では、主催の敷居さんが愛してやまない『大魔王が倒せない』の作者で、8月31日に『姉ちゃんは中二病』が書籍化・販売されるはぐれっち/藤孝剛志さん、海燕さんが絶賛する『勇者様のお師匠様』のピチ&メルさんを、絶賛アニメ化中の『神さまのいない日曜日』でおなじみの現役ラノベ作家入江君人さん、ニコニコブロマガ『ゆるオタ残念教養講座』で多くの読者を魅了する海燕さん、サークル敷居亭主催でなろうジャンキーの敷居さんが迎え撃つという構図になっています。作者と読者、そしてプロ作家が一緒になって、「なろう」の魅力を骨の髄まで語りつくしております。

 

「姉ちゃんは中二病」hontoネットストアで買えるようになってました! | フジタカブログー 

異世界迷宮でハーレムを 1 (ヒーロー文庫)

異世界迷宮でハーレムを 1 (ヒーロー文庫)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

 

 最後に第三章では寄稿原稿として、なろう座談会に参加してくれた入江君人さんの『まだ見ぬ仲間に捧げる「書き続ける」ための創作講座』、海燕『無名ブロマガ「ゆるオタ残念教養講座の軌跡と奇跡』を掲載。小説とブロマガと戦場は異なりますが、「書き続ける」ことを実践しつづけてきた二人による、「書き続ける」ために必要なものを綴った原稿は、「書き始める」ことは容易でも「書き続ける」ことの困難なWeb時代のすべての創作者に向けたエールになっています。こちらもぐっとくる内容なのでお見逃しなく。

 

 これらが全て詰まって、全114頁。スタッフ含めて、既に読んだ人たちから「500円とかおかしい」、「商業でやれ」というツッコミを既にいただいていますが、同人誌だからこそ出来ることを全て詰め込んだ渾身の一作となっています。一から企画・編集を担当したからこそ、自信を持ってお薦めしたい一作になっております。

 

 本当に、今回の二冊はともにサークル敷居亭が今できることを全て詰め込みましたし、なによりも今一番好きなことを詰め込んだ一冊になっています。サークル敷居亭のコンセプトである、「今自分たちが好きな物を記録すること、伝えること、残すこと」を体現できた自信作です。

 当日会場に足を運ばれる方はもちろん、通販や委託(どちらも近日告知予定)で手に入れたいという方も、是非是非一人でも多くの人の手に届くことを祈っています。

 

*番外編:咲SSについての原稿

 6月末のさきすぺ千里山でも配布された近代麻雀漫画生活『咲-Saki-最強考察2』に咲SSに関する論考を寄稿しております。こちらもかなり力をいれて書いております。また、いのけんさんによる考察時代がなによりも濃厚になっておりますので、こちらもあわせてよろしくお願いします。

 

 ・近代麻雀漫画生活『咲-Saki-最強考察2

  (8月10日(土)一日目西か-18a