隠れた家族青春小説の名シリーズ -西澤保彦『タック&タカチ』シリーズのすすめ
最近僕の周辺では、
西澤保彦の『タック&タカチ』シリーズが話題になってるのですが、
みなさんは読んだことあるでしょうか?*1
SFパズラーミステリで人気を博した西澤先生が書いた、
これが単にミステリとしてだけではなく、
青春ドラマや家族の悲劇
をテーマとした小説としても素晴らしいのです。
そんな訳でいろいろな人に勧めているのですが、
シリーズ物なのに出版社が別々だったりして、
「どの順番で読めばいいかわかりにくい」
と、いずみのさん(id:izumino)言われたので、
初読者にも分かりやすいように、
順番を示しつつ簡単に紹介してみたいと思います。*3
1.彼女が死んだ夜
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/05
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 9回
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2.麦酒の家の冒険
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/06/15
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 19回
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3.仔羊たちの聖夜
- 作者: 西澤保彦,影山徹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/08/24
- メディア: 文庫
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ここまでは主要キャラクターの紹介要素が強いのですが、
3では後のテーマとなる家族問題がクローズアップされるなど、
しっかりとシリーズを通じた伏線が貼られています。
比較的独立しているのでここから入るのもありです。
4.スコッチ・ゲーム
- 作者: 西澤保彦,影山徹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/05/24
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
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ヒロイン、タカチのトラウマを主人公タックが解き明かすのが本作。
完璧な美女タカチの暗黒面を、タックが正しく解きほぐすわけですが、
それと同時にタックの過去も少し明かされ、それが次作につながっていきます。
5.依存
- 作者: 西澤 保彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 文庫
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今度はタックの過去が明かされ、そこにタカチの力を借りてタックが対峙します。
とりあえず、タック母と正面からぶつかり合うタカチの凛々しさは必読!
そして、最後のボンちゃんのセリフに心打たれるのです。
以上、タック&タカチシリーズの長編を順番に並べて、
簡単にレビューしてみました。
10年以上前のシリーズですが、
家族の悲劇というテーマ
魅力あるキャラクターの掛け合い
安楽椅子探偵物としての安心感
どの側面からみても今でも自信を持って勧められるクオリティです。
ミステリ読み以外にはそんなに知られてないと思いますが、
むしろ普段ミステリを読んだこと無い人にこそ
読んでもらいたい傑作シリーズですので、
この機会にどうぞ!*5
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/12/12
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 7回
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- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03/12
- メディア: 文庫
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- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 文庫
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