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レスター伯の限界

なんもかんも政治が悪い......

「ゆかい食堂」を楽しみながら、食文化の歴史も学んでみよう

歴史 グルメ

 くらふとさんのグルメレポ漫画「ゆかい食堂」シリーズ面白いですよね(挨拶)

個人的には熟成肉食いに行きたいです。

ゆかい食堂 - ギャラリークラフト

  堂島の熟成肉のお店で「肉屋のステーキDON!!」を食べる - ギャラリークラフト

 

 サークル敷居亭の夏コミの打ち上げで、僕が超絶プッシュしてる箕面の海鮮居酒屋「ほっこり」に行った際のレポ漫画から火が付いたシリーズだったり(自慢)。「ワシが育てた」かどうかはともかくとして、僕も伯Q(咲のふなQの容姿でキャラクター化)として準レギュラー的に登場してたりで、敷居亭のメンバーの杉浦茂風キャラクターがみんな特徴掴んでてそこもポイントですね。

 

箕面の山中にこんな名店が!海鮮居酒屋「ほっこり」に行ってきました - ギャラリークラフト

海鮮あぶり料理「ほっこり」

f:id:pushol_imas:20131209120905p:plain伯Q

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くらふとさんのイラストによる敷居亭の面々(誰が誰かわかるかな?)

 

 どうやら近日中になんか発表もあるっぽい「ゆかい食堂」シリーズですが、作者のくらふとさん(敷居亭のイラストでいつもお世話になってる方です)から次のようなツイートが。

 

 

 これは以前、くらふとさんをはじめ、色々な人に薦めたら好評だった『肉食の思想』じゃないですか。僕も一応西洋史の研究者(博論だしたのも西洋史の研究)なので、西洋史関連なら色々とお薦め出来るなと思い、twitterでも何冊か紹介しておきました。

 

 でも、それだけだと流れちゃうのがもったいないし、それなりにふぁぼってもらったりもしたので、改めてこのブログで数冊紹介したいなと思います。

 

 まずはこちらから。

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))

 

  くらふとさんのツイートにもある、鯖田先生の『肉食の思想』

 ヨーロッパにおける「肉食」のルーツにせまりつつ、「肉食とは何か?」ということを単純に歴史的に紐解いていくだけでなく、ヨーロッパの様々な文化(宗教や身分制なども)と食分化の関係性、アジアとヨーロッパの食文化の比較など、非常に射程の広い一冊となっています。

 僕は三回生の時に、研究室の読書会で読んで以来、何かある度に人に勧めている本です。ヨーロッパ文化史について食の視点から迫った傑作です。

 

 続いて、ティータイムの文化を語る上で欠かせない二冊。 

茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会 (中公新書 (596))

茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会 (中公新書 (596))

 

 

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

 

 僕が専門にしているイギリス史研究者なら、必ず読んでいるであろうこの二冊。「料理がまずい」でおなじみのイギリスですが、逆にティータイムは世界的にも有名ですよね。そのティータイムの文化がなぜイギリスで発展したのか考える上で、お茶と砂糖の物流の歴史は無視できません。

 近代に7つの海を股にかける大英帝国を築き上げたイギリスの歴史について、お茶と砂糖に焦点を当てながら、経済史的視点、生活史的視点から描いた名著2冊。併せて読むと、ヨーロッパの食文化だけでなく、近代ヨーロッパ史を掴む手がかりにいい本です。

 もっといえば、お茶の供給地であるアジア(中国、インド)、砂糖の供給地であるアメリカ、なんかも視野に入ったグローバルな歴史を体感するにももってこいの入門書であります。資本主義の歴史を掴むのにもいいですね。

 

 生活史という視点からみれば、コーヒー・ハウス併せて読むと、なお良しですね。

コーヒー・ハウス (講談社学術文庫)

コーヒー・ハウス (講談社学術文庫)

 

  また、食文化からみる近代ヨーロッパといえばこちらもおすすめです。

ヨーロッパの舌はどう変わったか―十九世紀食卓革命 (講談社選書メチエ)

ヨーロッパの舌はどう変わったか―十九世紀食卓革命 (講談社選書メチエ)

 

 

 あと、イギリス料理については、こちらの本の中のイギリス料理の章で、社会・経済史的にみたイギリス料理衰退の歴史について書かれてあるので、興味がある方は必読です。 

イギリス文化史

イギリス文化史

 

 

 

 もっと長いスパンで観ると、「ジャガイモ」がもったインパクトも忘れてはいけません。

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

 

  アイルランドなんかでは不作になると、色々と社会情勢があやしくなるくらい、近代ヨーロッパにおける労働者の栄養を支えてきたジャガイモ。芋の歴史は、農業や食文化の歴史の最も重要な部分でもあるので、抑えておきたいですね。

 

 以上は自分が講義をするときに使ったりもしてるのですが、一方で、日本についてはあんまり詳しくありません。昔から料理漫画は好きで一杯読んでますが、最近は『もやしもん』とか『銀の匙』とか、食や農業をテーマにした漫画もありますし、そちらで読んでいくのがいいかもしれません。あと、日本はもっと詳しい人がいると思いますので、誰かまとめてください(他力本願)

 ただ、個人的には発酵食品大好き人間なので、小泉武夫は欠かせませんね。

 

くさいはうまい (文春文庫)

くさいはうまい (文春文庫)

 
食と日本人の知恵 (岩波現代文庫―社会)

食と日本人の知恵 (岩波現代文庫―社会)

 
発酵―ミクロの巨人たちの神秘 (中公新書)

発酵―ミクロの巨人たちの神秘 (中公新書)

 

 

 こんな感じで、くらふとさんのグルメレポを楽しみながら、おいしいものを食べに行きつつ、ついでに食文化について軽くお勉強するのはどうでしょうか。 

 ビールとか酒の歴史もまとめたいけど、それはまた別の機会に。

 

秋の夜長にビールを飲もう ―海外ビールのすすめ― - レスター伯の躁鬱