レスター伯の限界

気付いたらVtuberになってた

同世代の女性声優コンビのラジオが熱い—『洲崎西』のすすめ—

 コミケお疲れ様でした。すごく楽しかったんですが、反動で未だに体調が悪くて苦しんでおります...

 

 新刊に関しては通販・委託を開始しておりますので、コミケで手に入れられなかったという人は是非。

サークル敷居亭関連情報まとめ&通販受付 - 敷居の先住民 

 

 さて、盆休みも終わり仕事も再開したわけですが、体調が悪いとなおさら癒やしが必要です。僕の場合には作業用BGMとしてのラジオがより重要になってくるのですが、今期のアニラジはどうも不作気味。『ワタモテRADIO』が本編以上にいずさまの痛々しさっぷりが発揮されてて面白くはあるんですが...

 

 

 そんな中、継続ラジオ組で面白いのが『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる(俺修羅)』のラジオ『ラジオの婚約者と幼なじみが修羅場すぎる』 本編のキャストでもある赤崎千夏(ちーさま)と茅野愛衣(かやのくん)の二人がMCをつとめているのですが、声優を始める前からつきあいがある「ベストパートナー」な二人のラブラブっぷりがたまらんラジオです。

  特にゲストが来た時の「ちーさまのモテモテっぷりに嫉妬するかやのくん」のかわいさはたまらんですよ。基本的に俺修羅本編を見てなくても十分に楽しめる内容になっていますし(本編をしってると更に楽しめますが)。後、種田梨沙さんがゲストに来た回は必聴です。「たのSEED♪」

 

 

 「俺修羅ラジオ」のおもしろさを端的にまとめると、「同世代の仲のいい女性声優だからこそ出る独特の空気感」にあるわけです。俺修羅ラジオの場合はイチャイチャと嫉妬が混じり合ったゆるめの癒やし空間。でもって、最近この系統のラジオが増えてきていると思うんですよね。

 

 もちろん「同世代の女性声優コンビのラジオ」という構図のラジオはこれまでにも存在していましたが、アニラジや声優ラジオで多いのは、「男性声優(しきり役)×女性声優(ボケ)」とか「先輩×後輩」の方です。前者は大概のアニラジがそうですし、後者の代表格は『モモノキ』とか『ちょろい』なので、鉄板感ありありです。

  この二つのパターンは、MC二人の間に初めから落差があるので、聞いてて役割が分かり易いですし、それ故にボケと突っ込みが逆転したときにカタルシスが生じやすく、うまくやれば安定感と爆発感を兼ね備えた番組になります。例えば、最近の『ちょろい』だと、ボケとツッコミの立ち位置が逆転気味なので(最近は先輩の矢作パイセンの方が暴走することが多い)、前番組の『レディクロ』時代と似たコーナーをやっても違った面白さを生み出しています。

 

 

 一方で、同世代の女性声優二人が並んだ場合だと、一聴しただけだと役割がわかりにくくて、ラジオとしての面白さがぼやけてしまいがちです。比較的この形式に近くて長期間続いてるラジオといえば、『水樹奈々 スマイルギャング』がありますが、『スマギャン』の場合には水樹奈々がメイン(ヘッド)、福圓さんがサポート(副ヘッド)と役割に落差をつけているので、どちらかというと「先輩×後輩」ラジオに近い構成になってます。

 

 では、なぜ最近「同世代の仲良し女性声優ラジオ」の流れが盛り上がりつつあるのか。その源流がどこにあるのかと色々考えてみたのですが、たぶん、『竹達沼倉の初めてでもいいですか』(『初ラジ』)が一つのターニングポイントになったのではないかなと思います。

 『初ラジ』は文化放送が本格的にインターネットラジオに力を入れ始めた初期に始まった番組で、開始当時のMCの二人はまだ名前が認識され始めたばかりくらいの立ち位置でした。かくいう僕も、『アイマス』『けいおん!』の両コンテンツのファンだったので、「何となく聞いてみるか」程度で第一回放送を聞いた記憶があります。

 しかし、『初ラジ』は第一回からやらかしてくれます。いきなりの「臭いフェチ」ぶっぱ(クリックしてくんかくんか余裕でした)、ぬーさんの止まらないオタトーク、あほっぷりをさらし続ける竹達、Mメガネと名付けられ性癖を晒される作家、コスプレ満載のDVDの販売......と、もう好き勝手やりまくり。正直ファンが減るんじゃないか、代わりに変態ばっかりが集まってくるんじゃないかと心配になるくらい、「イメージとか放りだしてかかってこいよ」と言わんばかりの暴走っぷり(じゃじゃ馬万能説)がたまらんラジオ、それが「初ラジ」なのです。

 

 

 つまり、「同世代の仲良し女性声優のラジオ」という役割の落差がつけにくい構成なら、同世代だけに出せる本音というか、本性というか、「もうさらけ出してしまえ」の精神というか、「暴走前提で全部をみせてしまえ」なところが魅力になっているのです。自由な構成が許され、若くて経験の浅いスタッフがキャストと「ファミリー」として成長していく、そんな緩やかな場であるネットラジオゆえに許される番組。それを象徴しているのが「同世代の仲良し女性声優のラジオ」じゃないでしょうか。

 最近でこの流れに位置づけられる番組としては、その圧倒的な下ネタ力が話題になった『井上麻里奈・下田麻美のIT革命』あたりが思い浮かびます。

 

 ちなみに、「ちょろい」もこの流れに位置づけることができます。矢作パイセンと佐倉さんは完全に「先輩×後輩」ですが、作家のちゃんこら『ちょろい』のスタッフは完全にパイセンの同世代で固められていて、「パイセン+同世代のスタッフ+佐倉さん」でファミリーを形勢することで「何でもあり」の空気を作り出しているのが、『ちょろい』の魅力の核なわけです。

 

 さて、本題に戻って「同世代の仲良し女性声優コンビのラジオ」が熱いって記事を書いているのは、最近『洲崎西』がとてつもなく面白いことを宣伝したかったからでした。

 『洲崎西』は洲崎綾(『たまこまーけっと』のたまこ、艦これの『電』『最上』など)と西明日香(『きんいろモザイク』の大宮忍など)の二人がMCをつとめるラジオですが、二人とも知名度的には「声を聞けば何となく代表作は浮かぶ」程度、つまり初ラジ開始当時の竹達、沼倉の二人と大体同じくらいです。

 そんな同世代の二人が「ほんわかおしゃべりするラジオ」かなと思って聞き始めると、ノックアウトされること間違いなし。たまこの時からは考えられない洲崎綾の「腹黒毒舌マシンガントーク」、西明日香の想像以上の天然ダメダメなボケっぷりが絡み合って、「これアカンやつや...」となるのも時間の問題です。

 いや、本当に面白いんですよ。正直ここまで斬新すぎる笑いが聞けるとは思いませんでした。「洲崎様」に罵られたい豚リスナーが回を重ねるごとに増えて行くのが、もうね、たまりませんね(末期)。そしてそんな洲崎様の本性を自然と引き立てる西明日香も地味にスキルが高いんです。

  しかし、ここにきて洲崎綾という新たなタイプのラジオ芸人声優(しかもOL出身という経歴持ち)を発掘してくるとは、アイムエンタープライズ、恐ろしい事務所。なお、第五回を聞いてる限りでは「ナイムネンタープライズ」期待の新人でもあるようです(棒

 

 

 個人的に「ゆゆ式」→「きんいろモザイク」って萌え系四コマの最新系だと思っているわけですが(これについてもそのうち詳しく記事を書きたいと思っています)、「俺修羅ラジオ」→「洲崎西」の流れは「ゆゆ式」→「きんいろモザイク」の流れに被るところがあると思ってるわけですよ。

 「そうだ、ラジオってこんなにも素でいいんだ。もっとさらけ出していいんだ」みたいな。難しく考えすぎてたところに原点回帰を促しつつ、それでいてよく聞くと実は新しい概念を提供してくれるラジオ、それが『洲崎西』なのではないかと思うのです。

 

 

 まあ、小難しいことを考える必要はないのですが、あまりにも『洲崎西』のインパクトが強かったのでついつい長文記事を書いてしまいました。それくらい普通に見せかけて圧倒的なパワー(と洲崎綾の毒舌)を兼ね備えた新世代のラジオ、それが『洲崎西』。だまされたと思って是非聞いてみてください。

 きっと第三回を聞き終わる頃にはあなたもいつのまにか新たな養豚場(洲崎様の養豚場)の一員となっていることでしょう。

 

 

*追記

 今更気付いたのですが、『洲崎西』が始まる前の4月の段階で、既に『ごぶごぶちゃん』で中村先生と洲崎様は共演してたのですね。そして、その段階で既に中村先生を軽くひるませる程度には片鱗をみせていたと。

 恐るべき、裏で糸引く植木D(モモノキ、ごぶごぶちゃん、洲崎西担当)とシーサイドコミュニケーションズ(IT革命、ごぶごぶちゃん、洲崎西のスポンサー)...

 よく聞くと、番組内で「罰ゲームに憤りを感じます」、「私にも新番組を」と発言していて、これがきっかけになって『洲崎西』が誕生し、毒舌マシンガントークキャラ洲崎様へと完全に変貌を遂げ、最終的に養豚場を開設して豚リスナーどもを罵倒することになったのですね。これが独裁が産まれるにいたる歴史的な伏線だったのか(違う)