『スペース☆ダンディ』ともう一つのCOWBOY BEBOPの系譜―坂本真綾『Be Mine!』のすすめ―
2月も1/3が終わってしまいましたね...(挨拶)
それはさておき、年度末で色々と忙しいのですが、今季は博論が終わった分、じっくりアニメを見てます。咲全国編の安定感はもちろんですが(毎週日曜日9時から『伯すま咲TV!』絶賛配信中)、『いなり、こんこん、恋いろは』のファンタジー日常系感もいいですねえ。ヒロイン伏見さんを演じる大空直美の関西弁はここ10年の新人声優の中でもトップクラスじゃないですかね。『かみちゅ!』大好きな僕としては、特に楽しみながらみてます。
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他には、『バディ・コンプレックス』が最近のロボ物の中だと比較的うまく王道展開を織り込みつつ言霊力が高くて楽しみに見てます。相変わらず六花ちゃんのリアクションがくそかわいい『中二病』、今季もスーパー真礼タイムな『ノラガミ』、レズアニメというよりキスアニメなコメディ『桜Trick』あたりは安心してみてます。
それから『ウィッチクラフトワークス』はさすが水島努といった感じで、『ガールズ&パンツァー』で魅せてくれた戦闘シーンだけでなく日常シーンでのCGの使い方のうまさとか、CGと言えば老舗GoHandsが全力の3Dを駆使して全力の下ネタギャグでお送りする『生徒会役員共*』もいろんな意味で素晴らしいですね。あと、この二つは主題歌も素晴らしく、毎日聞いてます。
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そんな感じで楽しめてる今季アニメですが、個人的な思い入れの面で言えば咲に勝るとも劣らないのが『スペース☆ダンディ』。今でも「一番好きなアニメ」ランキングNo.1の座に君臨し続ける『COWBOY BEBOP』の渡辺信一郎監督に、信本敬子、佐藤大らが再集結したスペースコメディで、設定もノリもまさにBEBOPの後継者。
見栄とバカを全力のクオリティと疾走感でやり、それでいて人情話や浪花節も全部やる。5話とかよかったですよね(大河内脚本というのがまた草ですが)。『カブトボーグ』や『あいまいみー』並に全滅エンドが多くても、次の回には何事もなかったように普通に再開し、何をやってもちゃんと『スペース☆ダンディ』になってる。15年ずっとこれをまっててよかった...(『坂道のアポロン』も好きなんですけどね)
あと、BEBOPといえば音楽ですが、ダンディでも一話の終盤の音楽とのシンクロ感がたまらなかったです。また、より世界観へ入り込めるかどうかが重要なダンディだと、岡村ちゃんのOPも、やくしまるえつこ×菅野よう子のいかにもなEDもうまく機能してますね。こちらもITSでぽちってひたすら聞いてます。
BEBOPの遺伝子といえば、今季はダンディ以外にもう一つあるんです。それが、『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』。監督の岡村天斎はBEBOPにおいて『悪魔を憐れむ歌』や『マイ・ファニー・バレンタイン』、『カウボーイ・ファンク』などの印象的な回のコンテを切ってます。それ以降にも『DARKER THAN BLACK』の監督などを務めるなど、外連味と遊びの両方を併せ持った天才演出家。そんな岡村監督の新作が、BEBOPチームと同じ時期に見られるとは幸せこの上ないわけです。
ズヴィズダーも世界征服をもくろむ秘密結社というテーマを扱いつつ、コメディとシリアスを絶妙なバランスで混ぜつつ、独特の視点とこだわりで描く面白い作品ですね。ダンディが「スペースダンディとは宇宙のダンディである」の一言でその世界観に没入させるように、ズヴィズダーもケイトの妙な説得力がある台詞や振る舞いで世界に入り込ませる見栄の世界と言う点が共通してて面白いんですよね。一端世界に入り込ませて油断させつつ、ちょっとした死角から殴ってくるアニメ。大好物です^^
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そんなズヴィズダーといえば、OPの『Be Mine!』が本当にたまらんのですよ。いや、何度聞いてももうたまらんとしか言いようがない。坂本真綾+the band apart+江口亮とか、ほんま良く組み合わせたとしかいいようがない。
the band apartのファンキーでパンクで美しいロック。2000年代中盤に、よく深夜に木屋町や鴨川を徘徊しながら聞きまくってました。あらゆる要素を詰め込みつつ、それでいてオリジナルで、ノスタルジーもある。バンドにいけば窒息してでもモッシュしたくなる。最高に熱くて心地いいバンドなんですよね。
そんあバンアパが坂本真綾の曲を書くとか「マジか!」と言わざるを得ないわけです。美しくかつアッパーに心地よいロックに真綾の声が非常にあうのですよ。しかも、ストリングスのアレンジに江口亮(いきものががりやschool food of punishmentなどのアレンジでおなじみ)が加わることで、旋律の美しさ、そして爽快感の中に一滴の罪悪感のような物がふりかけられて、もう逃れることが出来ない曲に仕上がってますね。
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ちなみに、坂本真綾といえば、BEBOP8話『ワルツ・フォー・ヴィーナス』において、盲目の少女ステラ・ボナーロを演じています。このステラのエピソードはダンディ5話とにかよった構成で、最後にスパイクがステラに話しかける台詞は本当に最高なのです。
後、テレ東で放送が途中打ち切りされた後、最速で全話放映されたWOWOWでは、二作目のアルバム『DIVE』をリリース前後の若かりし頃の真綾がよくCMで流れていたのを覚えています。『DIVE』の頃と言えば、菅野よう子とのコンビの真っ最中で、この後『プリズム』とかがリリースされるわけです。
そんな坂本真綾が岡村天斎の新作のOPを歌うというだけでも個人的には凄くくるのですよね。本当に僕の思い出回路が色々と刺激されて今季はやばい。
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まあ、個人的な思い入れをおいておいても、『Be Mine!』は最近でもかなり上位にくるアニメOPなので、是非是非聴いてみてください。ちなみにシングルに同梱されている『SAVED』も『いなり、こんこん、恋いろは』のED曲で、これまたいいので本当にお薦めの一枚です。