君(の時間)は俺がもらう! ―『零の軌跡』『碧の軌跡』のすすめ―
予想よりも多くの人に『敷居の部屋の混沌』を手にとってもらえて、
非常にうれしい限りで、ありがとうございました。
近いうちに通販の案内も出来ると思いますので、
現地で買えなかったという方は今しばらくお待ちください。
参考:拡張されるエンターテインメント ―サークル敷居亭冬コミ新刊『敷居亭の混沌(カオス)』のすすめ― - レスター伯の躁鬱
さて、そのコミケが終わってから二週間強がすぎた訳ですが、
その間ずっと十数年ぶりにRPGゲームをやっておりました。
大学入学以降アマガミ、アイマス、スパロボ以外のゲームとなるとシュタゲ位しかやってない僕でも*1、
それらのゲームと同じ位熱中して楽しめたゲーム、
ファルコムの『零の軌跡』&『碧の軌跡』(以下「零碧」)の魅力を紹介したいと思います*2。
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1.壁を突き破る支援課メンバー達による熱いストーリー
零碧は『イース』などでおなじみのファルコムの『英雄伝説』シリーズの最新作です。
僕もファミコン世代なので、初代『イース』なんかは小学生の頃に楽しんだ口ですが、
同世代の人がはまったであろう『英雄伝説Ⅲ』なんかは全く手を出してない、
言ってしまえばファルコム初心者でしたが、零碧はそれでもとても楽しめました。
もちろん、『軌跡シリーズ』として設定を共有する『空の軌跡』三部作をプレーしていた方がより楽しめると思いますが、
ファルコム初心者を取り込む事を意識して作ってあるので本作からプレーしても問題は全然ありません*3。
『軌跡シリーズ』の舞台となるゼムリア大陸は導力革命によって、
一種の「科学的」な文明が花開いた世界です。
同時に過去のファンタジー古代文明や錬金術なども存在しており、
ここら辺の半科学、半ファンタジー的な世界観は、
そうした導力文明が栄える大陸には帝国や共和国など大小の勢力が入り交じっているわけですが、
空ではリーベルという王国がメイン舞台になったのに対して、
零碧ではクロスベルという交易を中心とした自治州が舞台になります。
これまたアラサー世代に説明するならより銀英伝のフェザーンを思い浮かべてもらえればいいかなと*5。
そんなクロスベルにおいて主人公ロイド達が属するのは、
クロスベル警察に新設された『特務支援課』と呼ばれる組織です。
空の主人公エステルとヨシュアが所属していた民間の遊撃士協会とは違って、
大国や各種勢力の間で板挟み状態のクロスベルの公権力警察に属し、
しかもその警察の中でもはみ出し物の組織である支援課に属しているので、
ロイド達は常に様々な思惑に振り回されることになります。
実際に支援要請(本作におけるクエスト)もペット探しや図書館の本の返却の手伝いなど、
「それ警察がやることか?」みたいな些細な事から始まる訳ですが、
そうした小さな事から積み上げて行く中でクロスベルを取り巻く恐るべき状況を理解し、
最終的にはクロスベル、そして大陸全体を揺るがす大事件を解決する事になります。
つまり、零碧は主人公たちが前に立ちふさがる大小の「壁」を取り乗り越えて行く物語であり、
一件地味だけれども、その分最終的には非常に大きなカタルシスを得られる、
非常に熱い物語になっているのです。
クロスベルの人々たちと織りなす何気ない日常の描写もいいですし、
碧の後半に次々と襲い掛かってくるシリアスな展開は非常に熱くて、
気付いたら零碧の物語に引き込まれて行く事でしょう。
参考:特務支援課とは (トクムシエンカとは) - ニコニコ大百科
零の軌跡とは (ゼロノキセキとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 |
「英雄伝説 碧の軌跡」予告ムービー - ニコニコ動画 |
2.世界観を体現する丁寧に作り込まれたシステム
そうしたミクロからマクロに展開するストーリーを支えるのが、
システム面の完成度の高さです。
零碧ではストーリーの最初から最後まで基本的にクロスベル自治州の中から出る事は無いのですが、
ファルコム特有の全員名前付きで、進行度によって台詞がかわるモブNPCたちが非常に魅力的で、
クロスベルマラソンといわれる街歩きが何より楽しいのです。
参考:クロスベルマラソンとは (クロスベルマラソンとは) - ニコニコ大百科
そうしたNPCとの何気ない会話によって発覚するので、
ついついロイド達と一緒に街を回ってしまうのです。
ヤリコミ要素といえば、これまた定番の釣りや料理などのミニゲームも楽しく*7、
難易度*8によってはクリアするだけならば適度にこなすだけでも大丈夫なバランスになっており、
プレーヤーの腕や費やせる時間、周回に応じたスタイルが選択できるのもいいです*9。
一方で戦闘システムも独自のアーツ、クラフトシステムのカスタマイズが楽しいです。
アーツはRPGで言う所の「魔法」に該当するもので、
ゲームを進めると得られるクォーツの組み合わせによって色々とカスタマイズ出来ます。
ここらへんはFF7のマテリアシステムに近いです。
一方で「必殺技」にあたるクラフトはゲージを溜める事で使用する事が可能のですが、
その際に鍵となるのがキャラクター間の「絆」になります。
イベント時や普段街を回ってる時の会話の選択に応じて、
主人公ロイドと他のキャラとの間の「絆」を強める事が出来るのですが、
絆を高める事で、より強力なコンビクラフト(2キャラが共同で使うクラフト)を使う事が出来るようになります。
このように日常、戦闘ともに自由度が高く、
NPC含めてキャラクターとのやり取りをする事でパーティーが強化されるシステムを採用している事で、
やればやるほどに零碧の世界にはまって行く設計になってるのが素晴らしいと思います。
英雄伝説 零の軌跡 デモムービー - ニコニコ動画 |
3.魅力的なキャラクターと「攻略王ロイドの軌跡」
零碧を語る上で書かせないのは、やはり魅力的なキャラクター達ですね。
とある事件に巻き込まれてなくなってしまった兄の意志を継ぎ捜査官となった主人公ロイド、
軟派だけど、熱い兄貴分、通称「ラニキ」ことランディ、
お嬢様だけど強い意志を感じさせる射撃の名手エリィ、
ジト目がたまらない導力技術の申し子ティオ。
この四人に謎の幼女キーアを中心とした支援課が物語の中心になります。
ちなみに僕はエリィ派ではなくティオ派です^^
零の軌跡 ロイド目覚ましイベント集 - ニコニコ動画 |
それに加えて、パートタイムでPTに加わるサブキャラ達もとても巧みに作られていて、
個人的にはTwitterのアイコンにしてる警備隊のノエルや*10、
ツンデレメガネエリート警察官という零碧最大の萌えキャラダドリー(♂)など*11、
もう全てのキャラが愛おしくてたまりません。
空から引き続き出てくるキャラや敵キャラなんかもいいですね。
結社や教会のキャラなんかはクリアすると空をやってもっと知りたいと思うはずです。
後、サービスイベントも盛りだくさんです。
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キャラ単体でもいいのですが、
零碧の絆システムと連動したキャラクター同士の交流が更にたまらんのです。
主人公のロイドは男女を問わず無意識にフラグをたてては、
歩くだけで次々とキャラクター達を落として行くので「攻略王」と呼ばれ、
エリィやティオからは危険人物として警戒されています。
特に年上の女性に強い「弟貴族」「弟ブルジョワジー」であり、
とあるキャラからは「弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎」と呼ばるなどするわけですが、
その罪なまでに無自覚なところがロイドのかっこよさと表裏一体になっているので、
「攻略王まじぱねえっす^^」としか言いようがないのです。
警官だから「おまわりさん、こいつです!」ともいえないですしねw*12
僕も全員の絆イベントを見るために気付いたら二週目をはじめてましたし、
特に碧後半とのノエルとのイベントはたまらないです。
キャラクター達のやり取りをみるだけでも零碧はやる価値があるゲームだと思います。
まとめ
零碧はRPGを久しぶりにプレーした僕からみても特にストレスが無かった良ゲーであるだけでなく、
徐々に明かされてスケールの大きな話に圧倒される良質の物語です。
軌跡シリーズとかよくわからねえって人も、零碧をプレーすることで、
ずっぽりと軌跡シリーズの世界にはまる事間違いなしです。
ボリューム的に一作60時間程かかってしまうのですが、
まだプレーしてない人は攻略王に、
「君(の時間)は俺がもらう」とされちゃえばいいと思いますよ!
今なら零碧セットパックもおすすめです^^
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*1:ごくまれにかつて廃人プレーしてたみんゴル2とPS版ダビスタを思い出したようにプレーしてた事はありましたが
*2:多分まっとうな「すすめ」記事は半年は書いてなかったですねw
*3:その証拠に英雄伝説シリーズで初めてPC版を発売せず、初めからPSP一本で制作されている
*4:FFに比べると中二分が低いかなと思いますが
*6:英雄伝説シリーズでは作品ごとに特定の本を全巻集める事で強力なアイテムを獲得出来るのが恒例になっている
*7:この両者ともにコンプリートする事で強力なアイテムをゲット出来る。料理に関してはアイテムとしても非常に使える効果を持っている物も多い
*8:開始時にEASY, NORMAL, HARD, NIGHTMAREを選択出来る
*9:ちなみに僕は零:EASY、碧:NORMALでプレー
*10:ノエルは本人が体育会系で鈍い所もいいんですが、お姉ちゃん大好きな妹フランとセットなのが更にポイント高い
*11:料理時のとある台詞が面白く、冬コミではダドリー本が量産されたらしいw
*12:捜査時には兄譲りの鋭い嗅覚を発揮するのがまたニクいw
*13:クリアした後にOPを見直すとたまらんのですよ