レスター伯の限界

気付いたらVtuberになってた

石油王はいいやつなんですよ -にじさんじイブラヒムにみる高速かつ圧縮されたリアルタイム物語の面白さ-

最近ARK配信が熱いですよね(挨拶) 

ちょっと仕事がクソすぎて、いろいろとやられてしまっているので、リハビリがてら家にいる時ひたすら見てるVtuber関連で最近面白いと思ってることを書いてみたいと思います。

 

前回秋口に舞スバの記事を書いた頃から比べると、ホロライブがにじさんじを凌ぐ勢いで凄く伸びたなあと。原動力となったのは、豊洲ライブと3D公開ラッシュ、ゲーマーズ・3期生・4期生の個性の爆発、そして何よりあさココという発明を持ち込んだ桐生ココ会長。そして、そのココ会長が持ち込んだARKがマイクラに次ぐ大型箱向けコンテンツとして爆発してるというのがあるかと思います。

 

earlofleicester.hatenablog.com


【#桐生ココ】誰か来るかな?ARKサーバー生活!恐竜時代を生き残れ!【#ココここ】

 

そんなARKとVの相性の良さは、もう一つの大型箱であるにじさんじでも先月に鯖が立ち上がり、ここ最近盛り上がってることからも伝わってくると思います。特に少し遅れて参戦した加賀美ハヤト社長を中心とするアルファスレイヤーズ(ASK)の打ち出す戦争(PvP)路線は、先駆者であるホロライブのARKとは違う雰囲気に繋がっていて、見ていて非常にワクワクします。

今どんな状況かについては、この記事で長々と語るよりも、戦国ARKまとめやまゆゆの動画辺りを見てもらったほうがいいと思うのですが、小学生男子的な野蛮さのロマンというか。毎日状況が変化する展開の速さにくわえて、他団体交流戦的な少しハイコンテクストなプロレス(小学校の学級会とも言う)なので、視聴者も自然とエキサイトして少し焦げ臭くもあるのですが、マイクラ的なまったりした恐竜のテイムや建築に加えて(今個人的に、にじさんじで一番推しているりつきんなんかはこっち)、兵器としての恐竜の開発や領地を巡るいざこざという争いの側面も持っているというのがちょっと新しくていいんです。特に、パスお(ゆめお)、やっぱりお前がNo. 1(でやべえ奴)だ!


戦国ARK #01 思想編~争いの火種~【加賀美ハヤト】


【ARKにじ鯖】今のARKにじ鯖についてを識る【黛 灰 / にじさんじ】


【夢追翔】パスおまとめ【にじさんじ】

 

 ただ、この記事で語りたいのはARK配信自体の魅力というよりは、その中で繰り広げられる物語について、現時点(2020/3/9)でにじさんじで最も新人であるイブラヒムと、彼の周りで繰り広げられた高速かつ圧縮された物語についてです。

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ホロライブがにじさんじと比べると比較的少数で、所属するライバー全員がまとまった形で物語を紡ぐことでここ半年大きく伸びたのに対して(あさココはそうしたホロライブの規模がハマった面もあると思う)、にじさんじはその規模を再現なく拡大することで、多様性を高める路線を続けてきました。2019年後半デビュー組、特にチューリップ組以降の活動を見ていると、多様性を高めつつどのように新人が目立ってのし上がっていくのかという戦いがあったように思います。


【#桐生ココ】あさココLIVEニュース!3月9日【#ココここ】

 

内部統合が終わった直後の2019年前半デビュー組については、1人1人の個性の強さが非常に重要になったに思いますが(例えば郡道先生とか、ギバラとか、るるちゃんとか)、2019年後半デビュー組は全て3人一組であり、前半組よりも横軸としてプチユニット感を出しつつ、縦軸として同期を超えたコラボを展開していくという傾向が強い気がします。

もちろん、それぞれの組でどちらが強めかグラデーションはあるし、グウェルのような「面白く無くて炎上→面白くないのが面白い→自分のペースで企画をすると常識からちょっとズレた狂気で面白い」という新たな路線の逸材も出てきたりしていて面白いです。ただ、全体として見たときに、人数が増えすぎた事で、視聴者は全てを追いかけるのが(物理的に)難しくなり、ライバー間での繋がりもどうしても固定化しやすくなってしまいます。


【受験生必見】グウェル先生による元素記号の語呂合わせに笑いが止まらなくなるフミくん【にじさんじ】


【NTR】グウェルにフミ様を奪われ拗ねる白雪と嫉妬する不破【にじさんじ】

 

ポケモンやマリカのにじさんじ杯のようなデビューしたばかりの新人も比較的参加しやすい大型企画もありましたし、緑仙なんかは比較的面白いと思った新人を巻き込んだ企画をいくつかやっていましたが、そこから大きく展開するのはなかなか難しかった感じがしました。


第2回マリオカートにじさんじ杯【#マリカにじさんじ杯】

 

そんな中、先日開催されたスプラのにじさんじ杯は一つの転機になるイベントだったと思います。年明けくらいからにじさんじ内で異様にスプラが流行ってて何かあるのかなと思ってたら、案の定大会が発表されて、1週間で本番というスピード感で進んだイベントでした。


スプラトゥーン2にじさんじ杯【#にじさんじスプラ杯】

 

そして、このスピード感が凄く良くて、

 

・初心者から熟練者まで全然レベルが違うプレーヤーを組み合わせてチームを組んだ結果、先輩後輩が入り乱れてこれまでにない組み合わせのチームばかりだったこと

・4人チームのゲームでチームワークが重要であるだけでなく、アメフト的に初心者も与えられたロールでしっかり役割を果たせるゲームであること

・準備期間が1週間だったことで逆に練習試合が大量に発生して試合前から伏線となるストーリーが展開したのに対して、本番では約半分のチームが一試合5分で終わる刹那性もあったことで非常に濃密なやりとりがチーム内・チーム間で発生したこと

 

といった感じで、非常に高速かつ圧縮されたリアルタイムな物語が至る所に発生していました。必ずしも見やすいゲームではなかったですし、大会運営も比較的不慣れなメンバーが担ったこともあって、ポケモンやマリカほど同接は伸びませんでしたが、極限まで多様性のある100人近くのライバーを抱える現在のにじさんじに非常にフィットしたイベントでした。本当に熱かったんですよ。

tatami571.hatenablog.com


エビオ「飛んできて!」最高のチームワークを見せたインクフィッシュの決勝第一試合【#にじさんじスプラ杯】


【にじさんじ 切り抜き】第1回にじさんじスプラ杯 インクフィッシュ名シーンまとめ


【スプラトゥーン2】Jチームと練習試合するらC--!!!【にじさんじ/桜 凛月】

 

 

そんなスプラ大会と並行して、多くのライバーが同時にプレーしていたのがARKで、社長なんかはスプラ以上にARKでガチナワバリバトルを楽しんでたわけですが、そのガチナワバリバトルの相手が今回取り上げるド新人のイブラヒムです。


【Ark: Survival Evolved】ガチナワバリ【にじさんじ/加賀美ハヤト】

 

イブラヒムは「元石油王(現温泉王)」という、なかなか濃い色物キャラでデビューした男性ライバーですが、インターネット老人会を思わせる言葉使いでリスナーとコミュニケーションを取りつつ、視聴者・ライバー参加型ゲームをやったり(マリカなど)、ライバーキャラメイクした三国無双プレーをしたりと、ちょっとポンな所も含めて憎めない系のライバーです。2019年後半デビュー組だとホスト系ライバーふわっちこと不破湊くんが一番近い感じかなと思いますが、陽キャ系(狂人系)と陰キャ系(ナード系)でいいバランスだなと。


【劇場番】にじさんじ無双まとめ~episode1~【にじさんじ切り抜き】


煽り合いながらも楽しそうなマリオカートコラボと最終的にママになっちゃうふわっち【不破湊/椎名唯華/鷹宮リオン/郡道美玲/黛灰/イブラヒム/にじさんじ切り抜き】

 

そんなイブラヒムも社長たちASK(社長、ゆめお、社、チャイカ)と大体同じくらいにARKを始めて、同期メイフ3人(フレン、メリッサ)でトライブ(コーヴァス帝国)を組んでほのぼのプレーしていました。ただ、戦争(ロール)プレーを指向するASKの隣に拠点を作って水源確保の障害になってしまったばっかりに、(サイコパスな)先輩達に目を付けられいきなり難しい立場におかれてしまいました。ここ最近のにじさんじARKは、この戦争狂サイコパストライブASKとイブラヒムたちコーヴァス帝国の領土問題(水源問題)と、四皇こと大手トライブの間のパワーバランス問題が絡み合うことで焦げ臭くなってきて、注目度が高まっていました。


戦国ARK #04 外交編~水源心理戦~


ついに抗争がはじまろうとしている加賀美ハヤトとイブラヒム

 

そんな中で先週末(3月6日)、Twitterのトレンドにも入った四皇会議(四皇によるPvPルール決め)が開催され、その裏でASKが四皇最大勢力の夜見トライブ(後にヨルミナティと命名)Top2のシェリン誘拐事件を起こすなど一気に開戦が現実味を帯びてきたのですが、そこで巻き込まれてしまったのがイブラヒムです。

詳しくは下のまとめ動画などを見てほしいんですが、簡単な流れとしては、

 

・にらみ合い状態から紆余曲折(四皇のプレッシャー)あって、ASKとコーヴァス帝国は一時的に同盟を結び、水源問題はとりあえず解決

・四皇会議の裏でシェリン誘拐を実行したASKだが、四皇の前に望み通りの結果を得られなかった

・その際にトラップカードパスお「僕たちの裏にはイブラヒムってやつがいてですね」が発動し、イブラヒム巻き込まれる

・イブラヒムはキレて同盟を破棄し水の供給を一時停止→社長が報復を匂わせるサムネ(イブラヒムを工事)とともに配信を開始

 

という不憫キャラ全開な巻き込まれ方をしてしまったわけです。

 


【3/6】四皇会議とαスレイヤーズ総まとめ~巻き添えヒムラをそえて~

 

こんな状況にド新人が巻き込まれただけでも十分に面白いすごいんですが、よりによって昨晩のASKとの交渉配信の前に、

 

・昼間に行われた2019年後半デビュー組による「にじさんじ若手人狼」に寝坊して遅刻、さらに遅れて参加した二試合目(狼)でミスプレーの結果ほぼ見せ場無くあっという間に吊されて死亡(した結果狼陣営がスムーズにプレーできて勝利)

 

という、「ほんまそういうところだぞヒムラ」(未来人夕陽リリによって定着したイブラヒムの呼称)と言うおもしろすぎる流れで修羅場に乗り込む事になっていました。


#にじさんじ若手人狼


コラボに遅刻し、何もできずに退場するイブラヒム

 

そして迎えたASKとコーヴァス帝国(参加者はイブラヒムのみ)の「交渉」の夜。

ASKはイブラヒムとの交渉の前にヨルミナティと会談に望むも、全てのライバーを自らのトライブに回収して一つにすると宣言する四皇「夜見=ビックマム=れな」との間で開戦(戦争自体は翌週)することになり、またその後に呼び出された別の四皇「渋谷=死の商人ハジメ」との間に武器ビジネス契約を提携するなど、にじさんじサーバー大戦に向けた流れを着々と作っていっていました。


夜見とアルファスレイヤーズの対談&天宮監禁事件まとめ


ハジキの商品にときめいたり値引きしてもらったりローンを組んだりするアルファスレイヤーズ【交渉部分まとめ】

 

この直前の流れをみていると、弱小かつ後輩、そして4対1という圧倒的不利(しかもいつ暴走するか分からないパスおとチャイちゃんを含む)な状況で交渉に臨むイブラヒムは蹂躙されてしまうんだろうな...と誰もが思うわけです。実際に交渉自体では引けを取らずに自分たちの主張をしっかりとしたイブラヒムも、最終的には社長とのタイマンバトルに敗北してしまいます。

そして勝利したASKの社長はイブラヒムに対して同盟の再締結を要求、共に世界に覇を唱えようと呼びかけます。それに対してイブラヒムは最初の同盟の時にそのビジョンに共感したんだと思い出し、要求を呑むのですが、その際に出た「みんなと一緒に遊びたい」という一言。

「お前、友達が欲しかったんか!!」

という、ビックマム→死の商人の流れからの唐突な「友達ほしい系ラノベへ」という予想外すぎる展開に。ほぼワンオペでコーヴァス帝国のみんなと楽しく過ごすための建築をずっとしていたことと併せて、視聴者もパスおも、みんな一気にイブラヒムへの好感度はうなぎ登り。ASKの配信が終わった後にイブラヒム枠に流れ込む視聴者とスパチャの嵐。あまりにも激しすぎた最近のにじさんじARKの中の一服の清涼剤イブラヒムの物語にみんな飲み込まれたのでした。


【Ark】正義と正義のぶつかり合い【にじさんじ/イブラヒム】

(1時間10分あたりから)

 

デビューから約一ヶ月強しかたってない状況でこの圧倒的な物語の中で輝いたイブラヒム。規模が拡大し、多様性が極限まで高まる中でどうしても島化せざるを得ない状況において、このアドリブ的に高速かつ圧縮されたリアルタイムの物語の主人公の1人となった新人ライバーイブラヒムの姿は、今のにじさんじの面白さを象徴しているといえるのではないでしょうか。

 

*追記:記事更新した直後にいつものでびリオン茶番シェリンに続いて誘拐→社長によって救出されるイブラヒム。本当にキーパーソンになってるヒムラいいぞ^^


【Ark】満たせぬ日常に在るはずの答えを探して【にじさんじ/イブラヒム】


【Ark】敵を拷問するのが趣味...だって面白いんだもん。もっと争いが起きればいいのに【にじさんじ/鷹宮リオン】

 

まあ、風俗体験談配信して、パワプロサクサクセスからにじんさんじペナントやって、ますます独自路線でおっさんリスナーの心を惹きつけて病まない舞元おじおじも大好きですけどね^^


舞元の風俗失敗談(デリヘル編)


【実況パワフルプロ野球】球界をにじさんじでレインボーに染め上げる【オートペナント】


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