レスター伯の限界

なんもかんも政治が悪い......

10年代を切り開け! ―2010年エンターテインメント総括のすすめ―

 2010年もあと二日を残すのみですね。

 後はコミケを残すのみといった感じですが、

 僕もサークル敷居亭の面々と同様に上京するので、

 自宅で過ごすのは今夜が最後。

 そこで今年最後の更新として、

 2010年の漫画・アニメ・小説をレスター伯的に総括しつつ、

 同時に、2010年代のエンターテインメントを見通してみたいと思います。

1.漫画

 ここ数年の漫画を振り返ってみると、よつばと!Landreaallのように、

 ゼロ年代を代表する漫画がその地盤をさらに強固にしていったのと同時に、

 『三月のライオン』バクマンのような、

 ゼロ年代前半に大ヒットを飛ばした作家の次回作がその地位を確固たるものにしてきたイメージがあり、

 10年たって21世紀の初頭を代表する漫画の名作が一通り出そろったなあということが実感できた一年でした。

3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

バクマン。 11 (ジャンプコミックス)

バクマン。 11 (ジャンプコミックス)


 そんな流れを考えたうえで個人的に最も印象深い作品を上げろと言われたら、

 やはり進撃の巨人を上げざるを得ないでしょう。

 つい先日「このマンガがすごい 2011年版」でオトコ編1位を獲得しましたが、 

 異様な迫力で描かれた巨人を見ると、

 思わず「コワい!」と声をあげたくなる、

 圧倒的な何かを持った作品だと読者は感じることでしょう。

 また、ヒロインの「ミカサかわいい」という声も多く聞かれましたね。*1


 ただ、個人的には進撃の巨人』の肝は主人公のエレンにあると思っています。

 エレンは気が強くて、喧嘩が強くはありますが、

 ミカサやアルミンに比べると特徴のない至って普通のキャラです。

 一方で、巨人や外の世界に対する執念は妄信的といっていいほど強く

 その意志の力で物語を進めていける主人公です。

 特にアルミンを説得する3巻のこのシーンは本当にしびれました。


 エレンのキャラ付けや、巨人という敵の設定は非常に少年漫画の王道で、

 こうしたクラシカルな骨太さが新たな文脈で再浮上したというのが、

 今年を象徴する一つの流れではないでしょうか。

進撃の巨人(3) (講談社コミックス)

進撃の巨人(3) (講談社コミックス)


 ちなみに絵として最も印象的だったのは、

 弐瓶勉の新境地SFラブコメシドニアの騎士』の主人公、

 長手さんのこの「ドヤ顔」ですねw

 それはさておき、『シドニア』も4巻に入り物語の核心が徐々に明かされてきており

 非常に面白くなってきているので来年以降の展開に注目ですよ!

シドニアの騎士(4) (アフタヌーンKC)

シドニアの騎士(4) (アフタヌーンKC)


 またばらかもん『ポップコーン・アバターのような

 WEB連載の面白い漫画がぽつぽつ出てきた中で、

 年末には赤松健によるJコミというネット上の巨大インフラ構想も。

 こうした電子漫画の流れも当然来年以降目が離せないでしょう。

ばらかもん(1) (ガンガンコミックスONLINE)

ばらかもん(1) (ガンガンコミックスONLINE)

ポップコーンアバター 1 (少年サンデーコミックス)

ポップコーンアバター 1 (少年サンデーコミックス)

2.アニメ

 今年のアニメを語る上で欠かせないのは、10月期のアニメが近年まれにみる大豊作だったことでしょう。

 ミルキィホームズ』、『侵略!イカ娘』、『Panty&Stocking with Garterbelt等が、

 ニコニコ動画における公式配信を一つのフックにして、

 特別大きな宣伝なしに大ヒットした印象があります。

 電子書籍化の流れと同様に、アニメにおいてもネットの活用は来年のテーマになるでしょう。


 ただ、個人的に一本選ぶなら、やはりアマガミSS

 まあ、好きだから仕方ないといってしまえばそれまでですが、
 オムニバス式に一ヒロイン4話ずつで進んでいく構成で成功を収めるなど、

 平池監督の手腕を含めてアニメ的に評価できる部分も大きいと思います。*2

 また、舞台設定が大体10年強前で、青春を描くというのはどこか古臭くもあるのですが、

 まっすぐさという強度*3を強めていくことで突破を図ったあたりもポイントが高い。

 1月にはエビコレでPSP版も出ますし、『アマガミ』旋風はまだまだ続くのではないでしょうか。

3.小説

 漫画・アニメ以上に電子コンテンツの存在が最も大きくクローズアップされたのが小説でしょう。

 KindleiPadというデバイス面での進化を受けて、

 電子書籍の販売が大きく伸びた一年でした。


 しかも、興味深いのはまおゆうのようにVIP小説のようなWEB固有の文体の作品や、

 魔法科高校の劣等生のようにWEB小説だからこそ可能な型破りの傑作など、

 自由度が高く、独特の発展を遂げ易いネットというインフラを背景に、

 壁を突き破る名作が出てくるようになったというのは小説読みとしてはうれしい限り。

 この流れにのって、来年以降も予想もつかないような傑作に巡り合いたいですね。

 
 その一方で既存の紙で出版された小説をあまり読まなくなってしまったので、

 来年以降はもっと読んでいきたい。

 そんな中で、ラノベ黎明期から10年以上続いてきた名作、

 フルメタルパニックが無事に完結したのは個人的には大きかったです。

 最後の方で少しどうなるのか不安なところもありましたが、

 結末は誰もが納得するハッピーエンドで、もう涙が止まらなかったですね。

 ガガガ文庫から出版されてるコップクラフトも面白いですが、

 賀東先生にはこれからもエンターテインメント小説の王道をつき進んで欲しい!

コップクラフト 3 (ガガガ文庫)

コップクラフト 3 (ガガガ文庫)

 

4.まとめ

 ペトロニウスさん、LDさん、海燕さんの2010年総括ustに飛び入りで出た時にも最後に少し話したのですが、*4

 今年は電子コンテンツやニコニコ動画という新たなプラットフォームに乗って、

 新たな形のコンテンツが次々と出てくるであろうという予感を抱かせてくれた一年でした。

 しかも、個別記事も書いた魔法科高校の劣等生侵略!イカ娘のように、

 僕が青春時代を送った90年代テイストを感じさせる作品が、

 2010年という時代ならではの形で出てきてくれて楽しかった

 もっと活発に生きていかなければいけないなあという活力をもらえたので、

 来年以降も様々な作品を積極的にこのブログで紹介していけたらなと思いますので、

 どうぞ、これからも『レスター伯の躁鬱』をよろしくお願いします!

*1:例えばいずみのさんとかペトロニウスさんとか

*2:キミキス』アニメ化の失敗を挽回という点もありますしね

*3:主に変態紳士方面にですが

*4:リンク先に録音音源が上がってあるので、興味があるかたは聞いてやってください。飛び入りだったのでかなりあわてて喋ってますがw